イヴァンカの女性のエンパワーメント #42

及川幸久です。

トランプ政権は今、人材開発プログラムというものを推進しています。これは経済政策の柱になっている「雇用を増やす」ためのプログラムです。

このリーダーになっているのが、ホワイトハウスの大統領補佐官、イヴァンカ・トランプ。トランプ大統領の長女です。

トランプ大統領とイヴァンカは、6月13日にウィスコンシン州のWaukesha county technical college(ウォークシャーカウンティ・テクニカルカレッジ)に視察に行っています。

なぜいったい今、この無名の大学に視察に行ったのか?

その答えは、Job Creation、雇用を増やすための秘策がこの大学にあるからです。

このウォークシャーカウンティ・テクニカルカレッジという大学と、地元のウィスコンシン州の州政府の両者が提携して、ある制度を作っています。

それは、前回もちょっと触れたアプレンティス、見習いとか徒弟制度を意味しますが、このアプレンティスという制度を推進しているのです。

仕事を探しているけれども、技術がなくて仕事が得られない人たちのために、大学で主に製造業のための専門的な技術を習得する。そのために数年間かけて、その間、報酬も出るんですね。これがアプレンティスという見習い制度です。

実際に、トランプ大統領とイヴァンカがこの大学を視察している映像がメディアに出ていました。

そこに出てくるこの大学は、教室があるわけではなく、むしろ製造業の企業の工場そのものの中で、学生さんたちが仕事をしている雰囲気でした。

それも工場用のロボットを使った最先端技術を学んでいました。

スコット・ウォーカー州知事 Gage Skidmore [CC BY-SA 3.0 (http://creativecommons.org/licenses/by-sa/3.0)%5D, ウィキメディア・コモンズ経由で
ウィスコンシン州というのは、前のオバマ政権の頃は失業率が10%もあり、大変景気も悪かったのですが、その後現れたスコット・ウォーカー州知事が改革をしました。

それが、このアプレンティス制度です。

これによって製造業の雇用が増え、現在の州の失業率はわずか3.2%。全米でも4.3%なので、それをはるかに下回っています。

このウォーカー知事は、実はこの6月、日本に来ています。日本の企業にウィスコンシン州への企業誘致の運動をしているのです。

日本企業が求めるようなレベルの高い技術の労働者を、ウィスコンシン州では提供できるという自信があるのでしょう。

現在、アメリカでは600万人の求人があると言われています。企業はそれだけの求人を求めているのですが、企業が求めるスキルを持つ人がいないのです。

同時に、多くの人たちがよりよい仕事、より給料のいい仕事を求めています。しかし、企業が求めている技術を持っていない。

この両者のギャップを埋めること、それが、今トランプ政権がやろうとしている人材開発のプログラムです。

そこで、このアプレンティスという徒弟制度に目をつけたのが、ホワイトハウスのイヴァンカのチームなんですね。

このイヴァンカ・トランプという人は、“働く”ということに強い思いを持っています。イヴァンカのTwitterの中で、こういうことが書かれています。

 

「仕事に成功するための3つの原則。それは、勤勉、情熱、そして何か問題や試練が起きた時の忍耐力。私の新刊“Women who work”(働く女性)をぜひチェックしてください」

Women-Who-Work Ivanka Trump (著)

イヴァンカは現在、父親のトランプさんが立ち上げたトランプ・コーポレーションの副社長でもありますし、最近有名になっている、自身が立ち上げたファッションブランドの創始者でもあります。

ある種の“成功者”ですね。

先ほどの本の中で本人が言っていますけれども、「私がこのようにいろいろなことができるようになったのは、やはり父親のドナルド・トランプの名前があったからだ。これは否定できない。しかし、ドナルド・トランプの名前だけで成功したわけでもない。あえて成功した理由を探すとしたら、勤勉、情熱、そして忍耐力。これが、私が自分で見つけた成功のためのルールです」と言っています。

アメリカでは、労働者の47%が女性です。

また、アメリカの全世帯の40%は、主な働き手は女性です。女性が生計を成り立たせています。

ですので、現在でも「女性と仕事」の問題というのは、大きなテーマなんですね。

イヴァンカはこの本の中で、「女性と仕事」は自分自身が取り組みたい生涯の使命である、と言っています。

そして、NPO法人を立ち上げ、この「女性と仕事」の問題について、いくつかのプログラムをやっています。

今年の5月、先ほどの“Women who work”というタイトルで本を発刊していますね。この本を私も読んでみたんですが、非常におもしろかったです。女性による、女性のためのセルフヘルプの本ですね。

今までは、女性が家庭をとるか、仕事をとるかというような視点で、この「女性と仕事」の問題が語られていたのが、そうではなく、現代の女性というのは妻であり、母であり、そして仕事を持っている。これらは一人の女性の中にすべて含まれている――彼女は「多次元的」という言い方をしていましたが――多次元的な構造であって、決して「仕事をとるか、家庭をとるか」という二者択一ではなくなっているのだと。

それを前提にして、「女性と仕事」という問題を、新しいアプローチで考えるべきではないのかというのが、彼女の主張なんですね。

この「働く」という視点は、女性のことだけではなく、マイノリティーであったり、貧困層であったり、多くの人たちにとって、これから新たに導入しなければいけないテーマではないかと思われます。

女性の経済的エンパワーメント

特にこの「女性と仕事」の問題は、例えば日本の安倍政権も大きなテーマとして採り上げています。女性が輝く日本へ、というようなスローガンでした。安倍政権のアベノミクスの3つめの矢の成長戦略としても挙げられています。

特に、女性管理職の増加だとか、職場復帰の支援などを具体的に出しています。

英語でEmpowermentという言葉があります。これは、「power(権限)を与える」とか「力をつけさせる」という意味です。特に女性と仕事というテーマに関しては、女性の経済的なEmpowerment、女性に経済的な権限、力をつけさせるというのは、世界で大きなテーマになっています。

イヴァンカが指摘しているのは、科学や技術、エンジニアリングという分野では、女性の進出が非常に少なく。その理由は、スキルがないから。

もし女性がこのようなスキルを得られて、有能な女性がもっと科学やエンジニアリングの分野に進出することができれば、経済的な発展につながると思われます。

これが、女性の経済的なEmpowermentです。

安倍政権では、企業の女性管理職を30%にしてください、というようなことを出しています。まあ、これがいいのか悪いのか、わかりませんけれども、国連でも似たようなことを言っています。女性にもっと経済的な権限を与えなければいけない、男性と対等に競争していけるようにならなければいけない、ということを打ち出しています。

スピーチをする神武桜子副党首

国連が今年行った女性の経済的Empowermentについてのイベントがありました。

その中で、前にもこのトランプ・チャンネルでご紹介しましたが、幸福実現党の神武桜子副党首が参加して、スピーチをしています。

そのスピーチは、女性が男性と対等に競争するという視点ではなく、女性特有の感覚を生かしたEmpowermentもあるのではないか、こういうことを話してメディアでも注目されました。今までの国連にない視点だということで。

参考:国連・女性の地位委員会 幸福の科学の女性職員が「女性の素晴らしさ」をスピーチ(The Liberty Webより)

イヴァンカも、女性の特徴を生かしたEmpowermentということを言っています。

例えば、彼女の新刊に出ていますが、この“Women who work”というNPO法人のコンセプトを持っているんですが、このコンセプトをより練り上げるために、ニューヨークの大手広告代理店の専門家の人たちを呼んで、ミーティングを開いたんですね。この専門家からアドバイスをもらおうと。

来られた人たちは、たまたまみんな男性だったらしいのです。

その方々が言われた「専門的な視点からのアドバイス」というのは、このような内容でした。

「このWomen who workのworkという言葉はよくない。印象が悪く、古い。格好よくない。セクシーじゃない。これをやめましょう。かわりに、Women who Do (何かをする女性)のほうがいいです」

これが、“プロ”の専門的なアドバイスだったわけです。

これを聞いていたイヴァンカと、イヴァンカのチームの女性たちは悟ったわけです。「彼らに聞いたのが、間違いだった。そうではなく、答えはすでに自分たちの中にあるのだ。『働く女性』という人生を生きている人たちの中にこそ、本当のコンセプトがある。だから、自分たち女性の感覚、女性の特性を生かしたものを、もっと打ち出すべきだ」

ということがわかったんですね。

話を元に戻して、働くために今まで福祉政策、生活保護などを受けていた人たちに、職業訓練などを与えながら仕事をしてもらう。

職場に戻ってもらう。

これによって労働者の力を結集して、アメリカの経済を再建しよう。

これがトランプ政権の政策です。

日本も、ここから学べるものがあると思います。

例えば、日本の労働環境は、失業率も今はアメリカと同じように非常に低くなっています。一見、仕事は十分あるように見えます。しかし、特に20代、30代の若い世代の人たちは正規の仕事には就けずに、非正規やアルバイトの仕事をもう何年もやっている人たちがたくさんいます。

初任給の時からの給料が、そのあと何年もまったく変わらない人たちも、たくさんいます。

日本でも、より高い仕事のスキルが得られれば、もっといい仕事が得られることがあると思うんですね。

大切なのは、Job Creation、よりよい仕事を、より質のよい仕事を増やしていく。そのために政治が道をつくっていくこと。

トランプ政権がやろうとしている職業訓練による雇用の提供、これはとてもいいアイデアだと思います。

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