コミー証言 4つの重要論点 #39

及川幸久です。6月8日、あの元FBI長官ジェームス・コミーが、上院の情報委員会で証言をしました。

私はこれをネットのライブで見ていたのですが、トランプ大統領にかけられていたロシア疑惑は、ほぼすべてクリアになったなという印象でした。

しかしその後のアメリカや日本のマスコミ報道を見ていると、私の印象とはまったく逆のことが報道されていたので、非常に愕然としました。

マスコミで報道された内容は、「このロシア疑惑においてトランプ大統領が捜査を中止させた」のだと。特に、トランプの元側近であったマイケル・フリンに関する捜査も、トランプはやめさせたのだと報道されていました。

※日本の報道

私は、アメリカや日本のマスコミが報道した内容を全部チェックしたわけではないので、今日お伝えする内容がすでに報道されていたかどうか、それはわかりません。しかし今日は4つの重要論点に絞って、お話ししたいと思います。

その前に、この日、6月8日、トランプ大統領自身はいったいどこで何をしていたのでしょうか?

実は大統領は、「信仰と自由連合」という外の団体が行った大会に参加して、スピーチをされていました。その時のことを、翌日のTwitterでこのようにツイートしています。

「昨日は『信仰と自由連合』の大会に参加できて、とても光栄だった。アメリカでは、我々は政府を信じて従うのではなく、神に従うのだ」

ということを言っています。

この言葉は、ちょうど以前、このトランプチャンネルの19回でご紹介した、ある大学の卒業式でのスピーチで、大統領自身が言った言葉です。第19回のバックナンバーを、ぜひチェックしてみてください!

議会証言の雰囲気

では、本題に戻ります。

この議会での証言を私もネットで見ていて、非常に「ああ、こういう感じでやってるんだ」とおもしろかったんですけれど、どんな雰囲気かというと、まずこの上院議員の中で情報委員会に属している議員たちが、質問者となっています。

ジョン・マケイン
マルコ・ルビオ

その質問者の中には、共和党の重鎮であるジョン・マケインや、去年の大統領選挙でトランプさんと争っていたマルコ・ルビオ、こういう人たちも入っていました。

そして、この委員会に前日に、コミー自身は自分の証言の内容を、文書にして提出しています。これを見ると、実際の中味はトランプ大統領とコミー自身の会話の記録――通称「コミーメモ」と言われていますが、その内容でした。

そして、この委員会のやりとりは、このコミーが出した意見書をもとにして、質問者の上院議員たちが、「この中のここにこういうことが書いてありますけど、これはどういう意味ですか?」というような質問をして、やりとりが行われていました。

質問者の中にはロースクール出身の人がいまして、

「自分はロースクール時代にこの法律の文章ではいつも苦労していた。しかし、あなたのこれを見ると、非常にわかりやすく書いているので、きっとあなたは成績がよかったんでしょう。きっと成績Aだったんじゃないですか」

というようなことを言いながら、そんな雰囲気で質問していました。

コミーのサプライズ証言!

そして、この日のコミーの証言の中に、コミーがうっかり秘密をばらしてしまったような、“サプライズ”の証言が、いくつかありました。

例えば、ヒラリー・クリントンの私用メール問題というのがありましたね。

ヒラリー・クリントンが国務長官時代に、国家機密が入っているような内容を、私用メールを使って、さらにそのサーバーにメールを保存していた。

ロレッタ・リンチ元司法長官

この件に関して、実は当時のオバマ政権の時の司法長官にロレッタ・リンチという人がいるのですが、この人は黒人女性初の司法長官です。この人から、「政治的圧力を受けていた」というびっくりするような内容が、コミー元長官の口から飛び出しました。

1.トランプは捜査妨害をしていなかった

その4つの重要論点です。

1つ目は、トランプは、捜査妨害をしていなかった

この時、コミーは繰り返し証言しているのですが、このロシア疑惑というものをFBIが捜査していくにあたって、トランプ氏自身は捜査対象にはなっていなかった、ということです。

さらに、そのやりとりの中で、トランプ、そしてトランプ政権の何者かが、このロシア疑惑の捜査をストップさせるような捜査妨害があったかというと、それは一度もなかったということです。

マスコミでは盛んに、トランプがこの捜査を止めていたのだという報道がありましたが、誤報だったのです。

そして、あのロシアが昨年の大統領選挙に何らかの形で介入していたのだろうということは、ほぼ確かなのですが、しかし、ロシアの介入によって影響があったかというと、影響は一票もなかったということを、コミーははっきりと言いました。

ジェームス・コミー元FBI長官

そして、トランプ大統領とコミーとの2人の会話の中で、トランプ大統領はこのロシア疑惑を「雲」にたとえて、「この雲を早く晴らしたい。この雲があることによって、私自身の他の仕事がやりにくくなっている」というような話をしていたらしいんですね。

それに対してコミーは、「なるべく早く捜査を進めます」と答えているのですが、このやりとりの中でトランプ氏は

「とにかく、事実をはっきりさせてほしい。もし仮に昨年の選挙中に、トランプ陣営の誰かが間違ったことをしていたことがわかったとしたら、それはそれで事実として、全部はっきりさせたほうがいい」

そんなようなことまで、トランプは言っていたというんですね。

2.ヒラリーに関する新事実

2つめは、ヒラリーに関する新事実です。

ヒラリー・クリントン元国務長官

先ほどのオバマ政権時代の司法長官、ロレッタ・リンチの介入です。

ヒラリーの私用メール問題というのは非常に大きな問題でした。国務長官ですから、私用メールには国家機密も入っていました。その国家機密を私用メールのサーバーに保存したりしたら、他の組織、例えばアメリカの敵国、ロシアだろうとどこだろうと、簡単にハッキングしてわかってしまうわけです。

ロレッタ・リンチ元司法長官
ビル・クリントン元大統領

そんなことをしていたら、国家機密を外に漏洩したことになり、法律違反に当たるはずなのですが、実はこのことに関して、当時の司法長官であったロレッタ・リンチが、このヒラリー・クリントンのご主人であったビル・クリントン元大統領と、会って話し合っていたというんですね。

その直後に、このロレッタ・リンチ司法長官がコミーに対して、圧力をかけてきたというのです。

例えば、このロレッタ・リンチがコミーに対して、「この件で『捜査』という言葉を使うな。これは捜査ではない。ただ単に一つの案件だ。『案件』という言い方をしなさい」と命令してきたというんですね。

FBI長官の上司というのは、その時の政権の司法長官です。

この上司にあたる司法長官からそういうことを言われて、コミーは大変困惑し、「これはまずいと思った」と言うんですね。「この司法長官とは、距離を置いたほうがいい」と思ったとまで言っています。

マケインは、コミーのダブルスタンダードを批判

3つめに、ジョン・マケインはコミーに対して、ダブルスタンダードであるという批判をしていました。

先ほどのヒラリーの私用メール問題をFBIは捜査していたのですが、「ヒラリーは違法ではない」という結論を簡単に下しています。

一方で、トランプの案件に関しては、「トランプ陣営が選挙期間中にロシアとつながっていたのではないか」という架空の話に関して、何の証拠もないのに、あたかもトランプが法を犯したかのように扱われている。これはコミーのダブルスタンダードではないか、と批判しています。

この批判に対して、コミーは説明をしていましたが、答えになっていませんでした。

4.マイケル・フリンに関する会話

そして4つめは、もっとも重要な論点である、あのマイケル・フリンに関するトランプ大統領とコミーとの対話です。この対話の内容が非常に重要だったわけです。

この対話というのは、2月14日、ホワイトハウスの大統領執務室で行われています。

トランプ大統領はコミー長官に対して、こう言っています。

「マイケル・フリンは、とてもいい人だ。そして、彼についての疑惑の捜査は、ぜひ見過ごしてやってほしい」

 

 

このような言い方をしていたというんですね。

この時にトランプ大統領が使った言葉は、“I hope”です。このことが、この前日にコミーが作った陳述書の中に出ていましたので、民主党側はこれをもって「もし大統領がコミーに対して、『マイケル・フリンの捜査を中止せよ』と命令していたとしたら、これは明らかに司法妨害に当たる」と攻めていました。

しかし、この日の証言のやりとりの中で、共和党議員でリスチ―という質問者が重要な質問をしています。

リスチー上院議「その言葉のやりとりを通して、大統領はあなたに何らかの指示を与えたのでしょうか?」

コミー「いいえ。何の指示も受けていません

リスチ―上院議員「では、大統領はあなたに何らかの命令を下したのでしょうか?」

コミー「大統領の言葉の中に、一つも命令にあたるものはありませんでした

リスチ―上院議員「それではぜひお聞きしたいのですが、過去の事例の中で“HOPE”という言葉を使って指示もしくは命令をし、そのことによって司法妨害として起訴された事例というのはあったでしょうか

この質問に対して、コミーは

コミー「私は十分な知識を持っていません。ただ、私が言えるのは、大統領がこういう言葉を使われたという事実だけです

と答えています。

この議会での証言のあとに、大統領個人の弁護士が会見で言っていますが、トランプ大統領はマイケル・フリンに関しても、他の誰に関しても、この疑惑に関してFBIに捜査をやめるようにということは、一切言っていない。

では、大統領はあの日、コミーに対して何を言ったのか。

それは、大統領自身がすでに公ではっきり言っているように

「マイケル・フリンはいい人だ。そして彼はいろいろと苦労を重ねてきたんだ。」

これだけだというんですね。

このことによって、このマイケル・フリンの捜査をトランプ大統領がFBI長官に対して、ストップをかけたというのは、ほぼクリアにされました。

このやりとりによって、トランプ大統領がマイケル・フリンの捜査をコミーにやめさせたのではないかという疑惑は、完全に晴れたと思います。

このように、マスコミがどんな報道をしていたとしても、この問題に関して判断するのは、私たち自身です。

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