トランプは移民入国停止令を再チャレンジ #38

及川幸久です。トランプ大統領が大統領に就任してから、最初に大統領令をたくさん出しましたけれども、その中で特に話題になったのが、「移民・難民を一時、入国停止させる」という大統領令でした。

これは、主にアメリカの西海岸の州から反対が相次いで、裁判所によって止められています。

そもそも、この大統領令の目的は何だったかというと、テロの停止、テロの撲滅です。

トランプ政権はその後、この大統領令の中味を少し修正して裁判所に再提出し、これから最高裁での審議が始まります。

ロンドン市長 サディク・アマーン・カーン

この大統領令に対しては、アメリカ国内だけでなく、海外からもたくさんの非難を浴びました。例えば、イギリスのロンドン市長にカーンという市長がいます。この人も、このトランプ大統領令を厳しく批判していました。

しかし、先週末、そのイギリスのロンドンでテロが起きました。

この問題の本質はいったい何かというと、

「もういい加減に、このテロの脅威をなくすために、政府が本気で国民の安全を守る決意があるかどうか」

ということです。

この大統領令の再提出について、トランプ大統領はTwitterで、このように言っています。

「そのとおり。我々が今必要なのは、ある特定の危険な国からの移民・難民のTRAVEL BAN(入国停止令)だ。TRAVEL BANという言葉は、決して政治用語としては正しくないかもしれない。しかし、政治用語として正しいか、正しくないか、そんなことはどうでもいいんだ。それが国民の安全を本当に守ってくれるわけじゃない」

こういうことをTwitterで言っています。

私も二十数年前、イギリスに住み、イギリスの金融界で働いていました。その頃、イギリスは、北アイルランドの過激派組織「IRA」の爆弾テロに、何度もあっていました。

ある週末、ロンドンのシティ、金融街の中心部で大きな爆破テロがありました。

私が勤めていた会社は、そこから少し距離があるので影響はなかったかなと思ったのですが、その直後に会社に行ってみると、窓ガラスは全部吹っ飛んでいて、私のデスクもガラスの破片でいっぱいになっていました。

それを見た時に――これは日曜日だったんですが――これがもし平日だったら、どうなっていただろうか。

背筋が凍る思いがしました。

今、目の前にある“テロの危機”

トランプ大統領が出した、もともとの大統領令に対して反対したのは、西海岸のワシントン州やカルフォルニア州の司法長官たちです。彼らが地方裁判所に差し止め請求を出して、実際に裁判所の判断で、この大統領令の執行は今、止められています。

しかし、ではすべての州が反対しているかというと、そうではありません。

賛成している州が、有志連合というものを組んで、アメリカの最高裁に意見書を出しています。

それは、「今我々の目の前にある、このテロの危機。これから大統領が国家を守るために、大統領の権限を執行する、そのための許可を出してほしい。それを認めてほしい」という意見書です。

反対している州もあれば、賛成している州もある。賛成している州の州政府たちは、なぜ賛成なのか?

それは、目の前にある“テロの危機”の存在です。

この“テロの脅威”が実際に存在していることを、あたかも証明するかのように、今、ヨーロッパで連続してテロ事件が起きているわけです。

ヨーロッパで続発する、移民によるテロ事件

例えば、イギリスのマンチェスターであった爆破事件。コンサート会場の中であった爆発事件でしたが、逮捕された容疑者はリビアから入ってきた人物です。

このリビアというのは、まさにトランプ大統領が出した大統領令で、禁止している国の一つです。

この賛成派の州の連合、彼らが主張している賛成の法的根拠は何かというと、「そもそもこういう大統領令が出る前から、連邦政府には外国人の入国を拒否できる権限を与えているじゃないか」ということです。

過去にも入国禁止令はあった

実際に過去の事例として、アメリカの最高裁はこういうことを言っています。

「外国からの侵略や脅威の存在があった場合、連邦政府は外国人の入国を拒否する権限を与えられている」

これを繰り返し言っています。

そして、過去の大統領の中で、ビル・クリントン政権やオバマ政権は、今回のトランプ政権の大統領令とほぼ同じような内容を出して、一時的に特定の国――例えば、スーダンとかリビアなどの移民の入国を禁止したことが、実際にありました。

しかし、ここ数年、アメリカ国内ではテロ事件が続発しています。その原因は明らかで、テロ支援国家から難民や移民として入っているたくさんの人たちの中に、“プロのテロリスト”がまぎれ込んでいるからです。

ところが、前のオバマ政権は、その入国審査を厳しくすることをしてきませんでした。

その結果、アメリカはテロリストに対して、国家のドアを大きく開けて「どうぞお入りください」と言っていたようなものなのです。

例えば、テキサス州はこれまで、テロ支援国家から大量の移民・難民を受け入れざるを得ませんでした。

その結果、州の中の治安は悪くなり、テロ事件が起こり、テキサス州の州政府はオバマ政権に対し、再三にわたって入国審査を厳しくしてほしいという要請を出していました。

しかし、オバマ政権はまったく答えませんでした。

テロリストの国際ネットワークを断て!

テロが広がっていく構造は明らかです。それは、テロ組織の国際ネットワークです。

テロリストというのは、この国際ネットワークを通して、国境を越えて広がっていきます。

トランプ大統領の大統領令の目的は、この国際ネットワークを阻止することにあります。

振り返れば、2001年、あの9.11でニューヨークでテロが起きて以来、例えばアメリカ国内で飛行機に乗ろうと思うと、空港には2時間前に行かなくてはいけません。

なぜならば、セキュリティチェックにすごく時間がかかるからです。そのセキュリティチェックでは、靴を脱がされ、ベルトも外されます。こうしてアメリカ社会全体が何かピリピリしたものになり、精神的におかしくなってきたような感じが漂っていました。

それでもアメリカ国内では、テロは続いています。

どんなに空港でセキュリティチェックを厳しくしても、海外からやってくるテロリストの入国審査を厳しくしなければ、何の意味もありません。

その結果、本来“自由の国”のアメリカから、極度にテロを恐れることによって、不自由な国になってしまいました。どうもこの不自由な感覚というのが、経済的なものと何か連動しているようなんですね。

不自由な社会からは、経済的な不自由も生み出していきます。

そして、アメリカの経済は静かに沈んでいっているわけです。

国境防衛を怠ってきた日本

このアメリカのテロ対策、国境防衛を怠ってきたという、この問題とまったく同じ構造の問題が、日本にもあります。

それは、北朝鮮の核とミサイルの問題です。これが日本の国境防衛の問題です。

そもそも、北朝鮮の核とミサイルの問題は、もう20年も前から言われていたことです。しかし、日本政府は日本人を守るために、何の手立てもしてきませんでした。そのツケが今、回ってきています。そして、この20年間、日本の経済は沈み続けています。

国の安全を守るということは、国民の安全を守るだけでなく、国民の自由を守ることであり、それは経済の自由を守ることでもある。

私は、そう思います。

 

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