誤解ないように!トランプは中国を許していない #31

及川幸久です。トランプさんは大統領就任以来、「選挙期間中に言っていた公約と、実際に大統領になってからと、言っていることがコロコロ変わっているじゃないか」と、よく批判されています。

そのうちの一つが、対中国の政策です。

中国に対しては、選挙期間中は非常に厳しいことを言っていました。特に貿易面において、「中国はアメリカとの貿易を蹂躙している。中国を為替操作国に指定する」と言っていましたが、これはやめました。

しかし、最近、トランプ政権が中国に対して、厳しい姿勢を取ろうとしている“シグナル”が出ているのです。

今日は、トランプさんが大統領になる前の12月4日のTwitterで、中国に対してこのようなツイートをしているのをご紹介したいと思います。2つのツイートに分かれています。

「中国は、我々アメリカに対して、貿易面で自国通貨を弱くし、自分たちに有利な条件にしている。それをアメリカに事前に許可をとっているか?」

「南シナ海の真ん中で大規模な軍事施設を作っているが、それもOKか?そんな許可を取っているのか? 私はそうは思わない」

こういう内容です。

ここで2つのことを言っています。まず、米中の貿易問題。そしてもう一つは、南シナ海の中国の侵略についてです。

この南シナ海の問題に対して、アメリカは「航行の自由作戦」というもので対抗してきていました。

中国は南シナ海に人工島を造って、それは中国の領土だ、だからそのまわりは中国の領海だと主張しています。

それに対して、「いや、それは中国の海ではなく公の海だ」ということを示すために、アメリカの海軍の船がそこを通っていく。これを「航行の自由作戦」としてやっていました。

しかし、トランプさんが大統領になってから、喫緊の問題はやはり朝鮮半島、北朝鮮の問題なので、トランプ大統領は習近平とdeal(取引)をしました。

北朝鮮に対して、中国が貿易面でプレッシャーをかけてくれるならば、アメリカはこの貿易問題、中国を為替操作国に指定するという問題には目をつぶろう。そして同時に、南シナ海の「航行の自由作戦」も実施しないでおこう。

実際に、「航行の自由作戦」は実施されていなかったのです。

ハリー・ハリス太平洋軍司令長官の予告

ハリー・B・ハリス・ジュニア
アメリカ太平洋軍司令官

ところが、4月、アメリカの太平洋軍司令長官であるハリー・ハリス――以前もこのトランプチャンネルでも何回かご紹介しました。日系人ではじめて司令長官になり、四つ星の偉大なる軍人になっている人です――このハリス長官が、4月にアメリカ議会に呼ばれて、証言しています。

確かに一番大きな問題は北朝鮮の問題なのですが、それだけではなく、中国の脅威こそがもっと大きいのだということを、ハリス長官は証言しました。

そして、この中国の脅威に対して、アメリカは「航行の自由作戦」を今はやっていないけれども、近く再開するということを予告していたのです。

ハリス長官は、現在の問題に関して、実にわかりやすく説明していました。こんな言い方なんです。

「今、アジア太平洋というのは、極めて複雑な状況に陥っている。だから我々アメリカはまず、北朝鮮の問題、朝鮮半島の問題を解決するために、“パートナー”として中国に頼らざるを得ない。

同時に、南シナ海の問題に関しては、中国を“侵略者”として扱い、中国に対して厳しく警告しなければいけない

このように説明していたんですね。

そして、もう一つ重要なことを言っています。

「この南シナ海の問題というのは、中国が単に人工島を造って、そのまわりを中国の領海にしているというような『領土問題』ではない。中国がしていることは、この人工島に本格的な滑走路を造り、たくさんの戦闘機を用意して、その戦闘機を保管する格納庫を造り、レーダーを建て、多くの軍人をそこに駐在させることのできる兵舎を建て、本格的な軍事基地を造っているのだ。

これは、軍事侵略である。単なる領土問題ではない

と説明しています。そして、

「これが中国の軍事侵略であるとしたら、この中国の侵略を押し戻すために、今アメリカは「航行の自由作戦」を行っているが、アメリカだけではなく、日本も含めて関係しているすべての国が、この中国を押し戻すための作戦に加わってもらわなくてはいけない」

と言っています。

そしてこのハリス長官の予告どおり、5月24日、アメリカは「航行の自由作戦」を再開しました。南シナ海のスプラトリー諸島のミスチーフ島のあたりに、中国が人工島を造っているわけですが、その中国の人工島からわずか20kmのところを、アメリカ海軍の駆逐艦が通行していったのです。

オバマ時代の“にせ”の「航行の自由作戦」

オバマ政権の時は、この「航行の自由作戦」を何度か行っていた。しかし、トランプになってから行っていなかった――と言われているのですが、これは真実ではないのです。

オバマ政権の時にやっていたのは、実は本当の「航行の自由作戦」ではなかったということが、最近よくわかりました。オバマ政権の時にやっていたのは、Innocent Passage、いわゆる「無害通航」というものです。

「無害通航」というのは、これは決して軍事作戦ではなく、普通の船が普通の船として、ある国の領海を何もしないので通航させてもらう。これはまったく無害なので、だからその国に事前に通告しなくてよいという、そういう国際法になっているんですね。

オバマさんがやったのは、実は単なるInnocent Passage(無害通航)だったのです。

これは逆に、やってはいけないことなんですね。

この無害通航をやったということは、どういうことを意味するかというと、そこは中国の領海なので、中国の領海を無害通航としてアメリカの船が通っていったということ。無害通航というのは事前に通告しなくてよいのですが、そのかわり、その領域を高速で通過しなくてはいけないんですね。

実際に、オバマ時代にやっていたことは、これなんです。

これは、明らかに無害通航なので、「この地域は中国の海ですよ」「そこにあるのは、人工島ではなく本当に中国の島でああって、中国の領土なのだ」ということを、暗に認めていることになってしまうのです。

実際には、国際裁判所である常設仲介裁判所は、この問題に対して一つの判断を出し、中国が主張しているのは人工島であって、本当の島ではない。そこは中国の領土でも領海でもないのだということを、国際裁判所に当たるところがはっきりと言っているのです。それにもかかわらず、オバマ政権はそこをあたかも中国の海であるかのように、通っていったんですね。

トランプ大統領による“本物”の「航行の自由作戦」

これに対して、トランプ政権が今回、5月24日にやったのは、本物の「航行の自由作戦」です。

実際に航行中に、その海で、中国の人工島のすぐ近くで、軍事訓練にあたる演習をやっています。このことによって、アメリカは北京に向けて、「この海は決して中国の海ではない。公の海なのだ」ということを、明確に示したメッセージを送ったわけです。

中国は、この北朝鮮の問題で、北朝鮮にプレッシャーをかけて、アメリカの味方をしているような「ふり」をしていました。

しかし、実際には北朝鮮と中国との貿易量は、以前よりも増えていました。

中国は、嘘をついています。

中国を信用してはいけません。

決して誤解のないように。トランプは、中国を許してはいません。

 

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