トランプ政権の予算案は実現できるか? #29

トランプチャンネル、及川幸久です。トランプ大統領が就任以来初めての海外訪問中、5月23日、ホワイトハウスではトランプ政権の予算案の発表がありました。トランプさんが選挙期間中からずっと繰り返し言っているとおり、軍事費を大幅に増やして強いアメリカをつくる。その一方で、その他の政府の予算を大幅にカットしています。

この予算で特にカットされているのは、福祉関係や地方への補助金です。これに対して、アメリカのマスコミは早速、貧しい人たちに対して冷たい予算であると酷評しています。

予算というのは、大統領が勝手に決められません。大統領は予算案を議会に提出し、議会はそれに基づいて新しい予算の法律を作ることになります。

議会のほうは、この予算案を見て、とてもじゃないが、こんな予算案は地元の有権者に話せない、と言っているという報道になっています。

そういう議会の中で、このトランプ政権の予算案について、まったく違った見方をしている人がいます。

それは、下院議長であるポール・ライアンです。

今日のTwitterは、このポール・ライアンのTwitterを見てみます。

ポール・ライアン

「トランプ大統領の予算案は、官僚ではなく納税者を優先する予算になっていて、我が国の軍事力と経済力を強めるだろう」

こういうことを言っているんですね。

この予算が、官僚というよりも納税者のための予算になっている――これは、いったいどういう意味なのでしょうか?

今までの予算は納税者のものではなく、官僚や、その官僚にくっついている政治家のためのものだったということを表しています。アメリカの予算というのは、だいたい規模でいうと4兆ドル(約450兆円)。日本の国家予算が、一般会計と特別会計を合わせておそらく200兆円以上だとすると、その倍ぐらいの規模なんですね。

アメリカの国家予算とは

アメリカの会計年度というのは、10月1日から始まります。

今、トランプ政権が提出した予算案というのは、今年の10月1日からの2018年度の予算案です。これを9月までに決めて、10月1日からスタートさせるというものなんですね。

では、トランプ政権が提出した予算案は、どういう内容なのか。

ポール・ライアンの説明によると、前のオバマ政権の時の予算と比較して、こんな言い方をしています。

「我々はついに、オバマ時代に膨張し続けた国家予算を止めることができることになった」

このオバマ時代にはどんな予算だったかというと、福祉や補助金のお金がどんどん膨張していく一方で、軍事費はどんどん減らされる。そうすると経済発展が起こりません。その結果、オバマ政権が始まる前のアメリカ政府の負債は10兆ドルぐらいだったのですが、これがわずか8年間で20兆ドルに倍増してしまったんですね。

日本の政府の負債も大きいですけど、でも8年で倍にはなりません。

ものすごい負債を抱えた国家になってしまいました。

トランプ政権の予算案

トランプ政権の今回の予算は、このオバマ時代にやっていたことを反転させるというものです。

まず、この予算編成の方針は、国を守るための国防総省、そして国境を守る国土安全保障庁、この2つは予算を増やしますが、それ以外のほとんどの省庁は、大幅に予算カットです。

例えば、日本の外務省に当たる国務省は3割カット。
環境保護庁も3割カット。
労働省は2割カット。
日本の文科省に当たる教育省は、13.7%カットする。
運輸省も12.7%カット。

この減らし方は、日本の政治に当てはめたら考えられないですね。

例えば、もし文科省、現在、高等教育の無償化、加計学園の獣医学部の許認可の問題、その前には文科省の役人の天下り問題、これらはすべて予算、利権に絡まったことです。その文科省の予算をアメリカと同じように13.7%もカットする――あり得ないことです。

つまり、これは小さな政府をつくって政府の役割を縮小し、仕事の効率を上げるという考え方なんですね。

福祉はどうなる?

そこで問題になるのが、福祉です。福祉はいったいどうなってしまうのか。

福祉に関してのトランプ政権の考え方は、現在、重複した福祉プログラムがたくさんあるので、それによってムダが起きている。そのムダをなくしていく、という考え方です。

地方への補助金や福祉のプログラムというのは、ほぼ同じものがいくつもあるんですね。それによって資金がだぶついている。これらすべてに関わっている官僚や関係者、政治家の利権が存在しているわけです。これを思い切って整理する。

考えてみれば、1月20日のトランプ大統領の就任式で、トランプさんはこういう演説をしています。

「現在、仕事がなくて生活保護を受けている人たちには、仕事を与える。そして、アメリカの労働者の力を結集して、アメリカ経済を再建しよう」

そういう話をしていました。まさにこの公約どおり、今まで生活保護を受けていた人たち、例えばフード・スタンプというプログラムによって、国家から税金のお金をもらって食べていた人たち、そういう人たちにはフード・スタンプではなく仕事を与える。

仕事さえあれば働くことができる人たちを、労働力に変えていく。

ここに、労働者としてのDignity(尊厳)というものがあらわれてきます。

納税者ファースト予算

このトランプ政権のまったく新しい予算のことを、“Taxpayers first budget”(納税者ファースト予算)といいます。これは、まず納税者のための予算であって、政府の財政を均衡させ、赤字を減らしていく。そして、3%の経済成長を達成していく。そのための予算になっています。

この予算は、ポール・ライアンの先ほどのTwitterにあるとおり、税金をもらって税金を使う人たちの視点で作られたものではなく、税金を払う人たちの視点で作られた予算なのです。

今までフード・スタンプによって生活していた人たちを、アメリカの労働力に変えていく。そんなことができるのかと、確かにそう思います。

しかし、それが実現したら、その人たちの人生に“尊厳”が生まれます。

単に政府が食事を与えるだけではなく、国民が「人生を変えること」を支援する。

それも政府の役割です。

広告

1件のコメント 追加

コメントを残す

以下に詳細を記入するか、アイコンをクリックしてログインしてください。

WordPress.com ロゴ

WordPress.com アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Twitter 画像

Twitter アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Facebook の写真

Facebook アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Google+ フォト

Google+ アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

%s と連携中