トランプは全体主義者なのか?#23

及川幸久です。今日もトランプ大統領のTwitterを見ていこうと思っているんですが、実は今日はちょっと角度を変えます。

今、アメリカでトランプ大統領を批判している人たちの間で、ある一つの言葉が使われ始めています。

それは、Totalitarian(全体主義)という言葉です。

バーニー・サンダース

例えば、昨年アメリカの大統領選挙でヒラリー・クリントンと民主党の代表争いを、ずっと最後まで演じていた、バーニー・サンダースという人がいます。バーニー・サンダースのTwitterで、このようなツイートが出ています。

 

「トランプの見方からすると、人々はトランプ氏自身から出てくる言葉以外のニュースは、すべて無視すべきであるということになる。まさにこれこそ、全体主義そのものだ」

と言っているんですね。このバーニーの言葉で言えば、トランプさんというのは、「自分のTwitterから出てくる言葉だけを信じてくれ。それ以外のマスコミから出ているニュースは全部Fake newsなので、こんなものは信じるな」と、これを押しつけている。これこそまさに独裁者であり、全体主義者なのだ――ということを言いたいわけですね。

そうなると、このトランプ・チャンネルはトランプさんのTwitterをまさにウオッチしているわけですから、全体主義を広めていることになるのでしょうか?

トランプ大統領が「全体主義者」と批判される理由

なぜトランプ大統領が「全体主義」という言葉で批判されるようになったのでしょう?

例えば、アメリカの有力なメディアの一つに、US News and World reportというものがあります。これはかつてはTIMEやNewsweekと並ぶような一流の週刊誌でしたが、今は紙のメディアはやめてWebサイト専門のメディアになっています。

このUS News and World reportがつい最近、トランプについて、まさに全体主義的な傾向になってきたと言っています。その理由は、例のFBI長官ジェームズ・コミーの解任です。

トランプさんは大統領ですから、FBI長官を解任する権限はもちろんあります。それ自体は正当です。

しかし、それだけではなく、「トランプはコミーに脅迫をして口止めをしている。これは全体主義者のやり方だ」と言って批判しています。

「全体主義」とは何か?

ところで、この「全体主義」とは、一体何でしょうか?

こういう政治の言葉というのは、人々はあまりしっかり定義をせずに使います。例えば「保守」とか「リベラル」という言葉もやたらに使われますが、保守とは何か、リベラルとは何か、そういう定義が極めて曖昧で、人によって使っている意味が全然違うんですね。しかし、どんどん使われます。

今日は、この「全体主義」という言葉の定義を試みてみます。

全体主義とは

  1. 政治のイデオロギーの一つ
  2. 個人はすべからく全体(政府)に従属すべきであるという政治思想もしくは政治体制

個人の自由はすべて全体(政府)に帰属する。政府は個人の自由を制限できる。こういう体制のことです。この全体主義の反対の言葉が「個人主義」であり、「民主主義」ということになります。

ヒトラー(右)とファシスト党のムッソリーニ(左)

これだけだとわかりにくいと思いますが、実例でいくと、例えばかつてのソ連、今の中国や北朝鮮は、まぎれもなく典型的な全体主義です。それからかつてのナチスドイツ、イタリアのファシスト党も全体主義ですね。それから今のイランも宗教的全体主義とも言われています。

全体主義国家の特徴というのは法律ではなく、暴力や圧力によって国民を支配する傾向があります。それがもっと大規模になると「粛清」というものがあったり「秘密警察」があったり、そして「強制収容所」こんなものも出てきますね。

 

ジョージ・オーウェルが『1984年』で描いた全体主義

ジョージ・オーウェル(1903~1950)

かつて、イギリスにジョージ・オーウェルという作家がいました。この人は全体主義国家の恐ろしさを描いた『1984年』という小説で有名な方です。この人が全体主義について、このような言い方をしています。

「全体主義国家は何でもできる。できないことはない。ただ一つだけやれないことがある。それは、工場で働く労働者にライフルを持たせるわけにはいかない。ライフルを家に置いて、ベッドルームの壁にかけて保管することは許さない。」

ライフル禁止は何をあらわしているか。

ライフルというのは、民主主義のシンボルになっているわけです。そして、こう言っています。

「このライフルが皆の家にちゃんと置かれているかどうかを見守ることが、私たち民主主義を守る側の仕事なのです」

おもしろい言い方ですね。

全体主義は民主主義的な運動から生まれる

この全体主義について、幸福実現党の大川隆法総裁も非常に重要な指摘をしています。トランプ・チャンネルの第20回でも触れましたが、大川隆法総裁が京都で行った講演会の中で、こういうことを言われています。

「全体主義というのは、意外なことに独裁国家、独裁者から生まれるのではなく、民主主義的な運動から生まれる」

※参考
大川隆法総裁 講演会「永遠なるものを求めて」速報レポート(2017年5月14日、ロームシアター京都・大川隆法公式サイ/ト)
法話「永遠なるものを求めて」公開情報

全体主義者というのは、意外に民衆に人気があるんですね。かつてのヒトラーやムッソリーニも、そうだったわけです。民衆に人気があった。民衆によって押し上げられて、トップになった。

だから、この全体主義国家の中にいると、一見、民主主義的なように思える。そのように洗脳されるわけです。そして、全体主義者というのは民衆に人気があるので、民衆を安心させ、その裏で恐怖や圧力によって支配していく。

そして、先ほどあったような強制収容所や粛清ということが行われていく。

さらには、全体主義には右も左もない。右翼も左翼もない。確かに共産主義国家のかつてのソ連や中国、北朝鮮、これらは「左」の全体主義ですが、ナチス・ドイツやムッソリーニのファシズムというのは「右」の全体主義ですね。

特にこういう全体主義というのは、多くの人々の人気や支持を得るために、右も左も取り込めるような政策を打ち出してくるわけです。

大川総裁はこの講演の中で「こういう国家、こういう政策に敏感にならなければいけない。今私たちに必要なのは、全体主義国家を見抜く力である。例えば、日本にそういう傾向が出てこないか、しっかりと見ていなければいけない」と言われています。

トランプ大統領は「全体主義者」なのか?

この指摘から、トランプ大統領を見ると、私からするとトランプさんは逆ですね。まったくその逆です。

1.トランプ大統領は民衆に人気がない

例えば、全体主義国家というのは一見、民衆に人気があって、民衆によって持ち上げられた人です。

トランプ大統領は民衆に人気がありません。アメリカ大統領として、史上最低の支持率になっています。アメリカ国民の多くは、トランプ大統領ことを“Idiot(バカなやつ)”と言って馬鹿にしています。

トランプ大統領の支持者もいますが、彼らは「私はトランプ大統領を支持している」ということを言いにくい雰囲気になっています。

2.トランプ大統領は「支配」できていない

それから、全体主義というのは「恐怖」や「圧力」によって支配します。

トランプ大統領は、全然「支配」できていません。もうマスコミからは言いたい放題です。野党の民主党からも、さんざん批判されていますが、本来、身内であるはずの共和党からも批判されています。

もうちょっと「支配」したほうがいいぐらいです。

3.FBI長官の更迭は粛清とはいえない

そして、全体主義者というのは暴力志向があり、粛清をする特徴があります。そういう点でいうと、おそらくFBIのコミー長官のクビを切ったことが「粛清だ」と見られているんでしょうけれど、これは単に組織のトップが部下のクビを切っただけです。よくあることです。

そして、口止めをしたと言われていますが、実際はコミーさんは、あちこちでベラベラしゃべっています。これから議会で証言もするらしいです。

本当の全体主義者は誰なのか?

今、必要なのは、こういう全体主義的な傾向をもった「本当の全体主義者」を見抜く力です。

そういう意味でいえば、トランプさんが全体主義者というよりも、トランプをこうやって一生懸命総攻撃しているアメリカのマスコミのほうが、よっぽど全体主義なのではないでしょうか。

マスコミですから政治家ではないので、全体主義者には当たらないかもしれませんが、やっていることは極めて全体主義的な傾向です。圧倒的な報道量で一方的な報道、それも中にはFake newsをたくさん入れながら、メディアの権力によってトランプとトランプの支持者たちを、社会的に粛清しています。

これこそ、全体主義なのではないでしょうか?

さらに、現代の全体主義者ということでいうと、中国や北朝鮮は誰がどうみても全体主義です。

しかし、先ほどの大川総裁の指摘にもあるように、全体主義というのは一見、民主主義的で、一見人気があるので、実はわかりにくいんですね。見抜くのが難しい。

例えば、最近、韓国で生まれた文在寅大統領。この人は人気があります。この人は民衆によって、200万人のデモによって押し上げられた人です。この人はもともとリベラルというか、親北朝鮮だと思われていましたが、実際の政策は国防を第一にしています。「韓国の国防でもっとも重要なのは米韓同盟である。米韓同盟を軸にして韓国を守るんだ」ということを言っています。

これは、まさに保守の政策であり、日本でいったら幸福実現党が言っているようなことです。文在寅さんというのは、韓国の幸福実現党なんでしょうか?

しかし、こういう人こそ、怪しい。

全体主義者というのは、右も左も取り込むようなことを言いだします。

では、日本の政権で全体主義というものがあるかというと、ありました。数年前までにあった、あの民主党政権です。今の民進党ですね。まさにこれは全体主義です。農家への戸別保障だとか、子ども手当だとか、こういうリベラルなバラマキ政策をさんざん言っている一方で、今度は政府の財政規律を守らなきゃいけない。そのためには税と社会保障の一体改革といって、消費税を上げる。これは極めて経済右翼的な政策ですね。

このような、右も左も両方取り込むような政策を言って整合性がとれなくなり、結局破綻していきました。

今の日本の政権、安倍政権、これは保守ですので、まさか全体主義では・・・と思いますが、安倍政権について、これは今日は時間がないのでやめておきます。

トランプ大統領が全体主義者か?

NO WAY(まさか!)

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